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サッカーのコツ|まず初めにやることは無視すること!?
サッカーが上手くなるコツとしてまず初めにやることは「戦術」と「テクニック」を無視すること、忘れること、です。多くの方はこの2つに囚われながらサッカーをやっていると思いますが、この2つの要素はサッカーに対する混乱を生む迷路のようなものです。
サッカーの戦術とは?
そもそもサッカーにおける戦術とは【特定の相手】に勝つための作戦です。
例えば、マンモスの捕獲を考えてみましょう。人間より大きくパワーがあるマンモスをどのように捕獲すればよいでしょうか?大昔の人であってもマンモスを捕獲し食料にしていました。大昔の人は正面から槍を持って特攻した?そんなことはしていません。今と違って薬などもまともにない時代です。擦り傷でも致命傷になる恐れがあります。より安全にマンモスを捕らえなければなりません。大昔の人はマンモスの大きさ、重さを利用して「沼にはめて動きを止める」ことで捕獲したと考えられています。
マンモスが人間より大きく重いからこんな方法で捕獲することが出来たわけです。それでは相手がトラである場合はこの沼地作戦、上手く機能するでしょうか?恐らく機動力の高いトラ相手ではこの沼地作戦は機能しないと思います。
戦術は、食料として生き物を捕獲、企業活動、戦争などの争いなど相手が存在している以上等しく必要になり、これは相手がいるサッカーでも当然同じことになります。
サッカーでは、あるチームを攻略するためにAという戦術を用いるとします。そうするとあるチームはAを破るためにBという戦術を生み出します。また、Bという戦術を破るためにCという戦術が生まれていきます。このように人間同士が闘うサッカーは、相手がマンモスの時と異なり互いに戦術を考えることができるわけです。
現在は、IoTテクノロジーを活かしゲームからリアルタイムで多くの情報が得られるようになってきました。サッカーのゲームが行われているその場で新たな戦術が産声を上げているような状況です。目の前で見た最新の情報でさえ対策された古い情報となってしまうこともあるのです。(遂にサッカーもバレーボールと同じようにゲーム中にゲーム分析ができるようになって来ました。)
ここまでお読み頂ければ戦術を気にする必要がない事がイメージできると思います。選手に必要なスキルは、戦術を理解し実行できること、監督に必要なスキルは、自分達と相手を分析し戦術をつくること、コーチに必要なスキルは、戦術を理解し実行できる選手を育てること、になります。だから、選手は戦術を考える必要がない、ということになります。
サッカーのテクニックとは?
あまり大きな声では言えませんが、蹴る、止める、運ぶ、など基本的なテクニック以外はあまり役には立ちません。これはすごく当然のことですが、複雑なテクニックは相手がいるから必要となるわけですから相手がいる状況、すなわちサッカーのゲーム以外で身に付けることが出来ません。テクニックは戦術と同じで、相手がいない状況、想定していない状況でトレーニングしても使えるものにはならず意味がなくなってしまいます。
ここで注意が必要なのは「相手にならない相手というのは相手がいないのと同じ」ことになってしまうということです。相手を遥かに上回るテクニックを披露すれば通用した気になると思います。しかしこれは勘違いが生まれやすい落とし穴です。
そして目の前にいる相手に対して何らかのテクニックが必要となり生まれていくものは「スキル」というものです。テクニックはそのプレイの基本となるものだけで、複雑化されたものは状況が生み出したスキルになります。「テクニックを無視する」について正しくは「誰かが誰かを攻略するために生み出したスキルを真似しても、その誰かと自分の状況が異なるので意味がない」ということになります。
戦術とテクニックを無視!まとめ
サッカーの指導者は選手がスキルに、気が付く、生み出す、機会をトレーニングでつくることが出来ます。だから、指導者が教えるのは「基礎」であって、それを活かして選手が「プレイ」をする、そのような形のトレーニングが大切になっていきます。日本サッカー協会(JFA)では、ウォームアップからトレーニング1、トレーニング2、ゲーム、というトレーニング計画の中でこのようなトレーニングが実現できるようなフォーマットを提供しています。そしてそのトレーニングの中で必要となるコーチングスキル、知識なども学べる環境をも提供しています。
【過去の記事でチェック!】サッカー|B級指導者ライセンスーずばりトライアルの攻略法とは?!
残念ながら、子供達が将来サッカー選手になりたい!と本気で思ったときでは手遅れになってしまうと思います。なぜなら私のスクールでは小学1年生からこのようなトレーニングを6年生と一緒に行っています。6年間で、戦術を理解し実行できる力、それを実現できるスキルを生み出すこと、が習慣化されると思います。だから、将来は考えるというタイムラグなく適切なプレイを行うことできるようになっていると思います。これは戦術の進歩と同様で情報伝達技術の発達によることで、私のスクールに限らず多くの指導者が気付き行動していることだと思います。だから、将来このような選手たちがスタンダードになり、そこからタイムラグを無くそうとしても周りのプレイスピードについていくことが出来なくなってしまう可能性が高くなります。今まではテクニック獲得に多くの時間を費やし努力してきた。これは過去の事実で代えようのない事です。問題は未来に向けてこれから何をするのかということです。
いつやるの?今でしょ!?
この「戦術」と「テクニック(スキル)」は「誰かが教えるもの」「事前に身に付けるもの」というよりは「その場で生まれるもの」というイメージになります。
サッカーのコツ|サッカーを楽しむための最低条件?
サッカーを楽しむためには最低限理解しておいたほうが良い事があります。それはサッカーの原理原則(4局面)です。このサッカーの原理原則には4つの局面がありサッカーを分かりやすくしてくれます。【過去の記事でチェック!】4局面|理解の深さとチームの強さ
- 【局面】攻撃・・・【目的】相手ゴールへボールを入れる
- 【局面】失う・・・【目的】ボールを失う
- 【局面】守備・・・【目的】自分たちのゴールを守る
- 【局面】奪う・・・【目的】相手からボールを奪う
サッカーの原理原則(4局面)については、長くなってしまうので割愛しますが、とても重要なのは「サッカーの原理原則(4局面)を知っている」ということではなく「サッカーの原理原則(4局面)を理解している」というところまで持ってこないと上手く活用することが出来ないと思います。そのためには、サッカーをメチャクチャ勉強する必要があります。
簡単な勉強方法としては本を読むこと!
私が読んできた中では、サッカー指導者、プロ選手のエッセイ、有名なサッカー指導者達の指導論、サッカー協会の指導者教本、トレーニングメニュー、野球やバスケ、陸上など他競技の選手の自伝、戦術、テクニック本、古武術、ボクシングなど格闘技のハウツー本、陸上競技、孫子の兵法、ドラッカーのマネジメント、経営学、有名な経営者達の自伝、ストレッチ、コア、骨格筋肉についての解説本、力学(位置エネルギー、反発力、摩擦力、倍力構造など)、栄養、睡眠、文部科学省の学習指導要領解説本、子供の発達障害に対する療育(運動面、社会面、など含む)について、モンテッソーリ教育など幼児教育の指導本、偉人の自伝、などがおすすめです。
広く知識を吸収することで、サッカー観ても共通点に気付くことができ答えを導き出せるようになっていきます。サッカーのプレイも人間の行動なので一見関係なさそうないろいろなことがサッカーに関係しています。
サッカー|【本題】攻撃に必要な3つのプレイ!
この項目の前にあるサッカーの原理原則(4局面)に答えがあります。サッカーの攻撃は「ボールを奪う」局面の次にある局面です。ということは、単純な話として「ボールを奪う」がなければ「攻撃」が来ないということになります。そしてこれはボールを持つ持たない、ということではなく【その局面の状況】という意味です。
サッカーの攻撃|1つ目のプレイ
このプレイがなければ攻撃が始まりません。例えば、ボールをインターセプトしたらどんな状況になるか想像してみてください。
自分がマークしていた相手は自分のゴール側に体を向け進んでいる、自分は相手のゴールに体を向け一時フリーになりボールを持って進んでいる。簡単に言えば、この状況を作り出すのが攻撃に必要な一つ目のプレイです。
このときディフェンス対応するのは自分のマークではなく味方についている別の相手になっています。このプレイを身に付けなければそもそも攻撃の形をつくることが出来ません。前向きにボールを奪うプレイ、ファーストタッチで相手をかわすトラップ、サイドでの1対1、ワンツー、オーバーラップ、3人目の動き、ポストプレイ、クサビなどその場の状況で「1つ目のプレイ」をつくることが出来れば良いと思います。一番シンプルな形は相手から「ボールを奪う」ことです。
サッカーの攻撃|2つ目のプレイ
これは攻撃そのものです。基本的には相手は崩れているので素早くゴールに向かいたいです。時間を掛ければ守備が整ってしまい、また攻撃の1つ目のプレイからやり直す必要が出てきます。海外のサッカーと日本のサッカーで大きく違う点はここの判断スピードにあると思います。素早く攻撃できるシグナルがあるのに、また守備をさせてしまうのが日本サッカーの悪いところです。
家族でお出掛けする時に全ての準備を終えて「さあ!行こう!」と思った瞬間、お父さんの仕事の電話で足止めされたら家族はブーイングすると思います。
このように期待を裏切ってしまえばさめるのは当然です。これが日本サッカー(今までの)です。しかし先日の日本代表戦は違いました!素晴らしかった!!
【過去記事をチェック!】サッカー日本代表|遂に具現化された「ジャパンズウェイ」日本サッカーの形とは?
だから見ていても飽きてしまったり、何をしているのか分かりづらかったりして、しらけてしまいます。私も眠くなってしまうので見なくてもいいかな?と思ってしまいます。折角、相手を外して攻撃できるのに、なぜかまた1対1を始めて時間を掛け守備を整わせてしまい相手がペナルティエリア付近までリトリートする。崩せないからペナ角付近にボールを運びクロスを上げる、カットインからシュートを打つ、中を使うなど相手の体の向きを利用して点を取りに行く。これならその辺りからのプレイをまとめたハイライト映像で十分です。はっきり言えばドリブルの判断を間違えています。なぜそこでドリブルなの?
サッカーの攻撃|3つ目のプレイ
3つ目のプレイは「ゴールを奪う」です。フィニッシュのプレイが3つ目の攻撃のプレイになります。サッカーで最も盛り上がるのは「ゴールの攻防」です。だからゴールを取るストライカーとゴールを守るゴールキーパーは人気が高いポジションとなります。どちらもにも共通するのは身体能力が高くなければ通用しないということです。この2つのポジションだけは持って生まれた素質が大きいです。
1つ目のプレイ、2つ目のプレイ、と経過して三つ目のプレイを迎えるときには、スペースがありスピードを活かせるシチュエーション、ゴールへの距離が近くシュートを常に選択肢におけるシチュエーションなどフォワードにとって有利な状況が生まれているはずです。
攻撃が上手くないチームは、いきなり3つ目のプレイをしようとしてディフェンスと一緒にコーナーに向かって縦に突進を始めたり、2つ目のプレイに入っているのにわざわざ1対1を始めて1つ目の状況に戻して状況を悪くしてみたり、3つの目のプレイを選択できるのに時間を掛けて1つ目の状況まで戻してみたり、プレイがメチャクチャです。
サッカーの攻撃|3つの攻撃のまとめ
この3つ攻撃は「チャレンジ&カバー」「ボールを奪う」「攻撃サポート」「ゴールを奪う」というテーマをしっかり教えることが出来れば全て網羅することができます。そして日本サッカー協会(JFA)のサッカー日本A代表を頂点とするピラミッドに属しているのがトレセンです。サッカー日本代表を多く輩出するJクラブは選手の認知度が高くおのずと人気が出ます。もし本気でプロサッカー選手になりたいのであれば、戦術やテクニックではなく、まず日本サッカーを学んだほうが近道です。
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