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習い事で人気のあるサッカーと野球の背景と課題
子供がやりたい、親がやらせたい、というスポーツの習い事の代表各といえば「サッカー」と「野球」になるでしょうか。単純にご両親が体験して楽しかった、成長できた、という思いからお子さんにすすめていたり、ジュニア期におけるこの2つの競技人口が多いことも関連していると思います。また、この2つのスポーツはテレビ中継などの露出があり話題性など他者との接点があることも影響していると思います。他のスポーツもサッカーや野球と同様、楽しかった、成長できた、と感じることは出来ると思いますが、競技人口、話題性、という点でこの2つに比べると環境整備含め普及にハードルがあるように思います。
競技人口や話題性はそのスポーツ協会の財源にも直結します。特に話題性についてはそのスポーツに関心を持つ人が多ければ多いほど露出機会が生まれやすく広告出稿、スポンサーが付きやすくなります。大きな財源を持つそのスポーツ協会は更なる普及のため研究し投資をすることが出来るようになります。日本サッカー協会は、他のスポーツ協会よりも指導者ライセンス制度を確立できていると思います。これは子供達にサッカーを楽しく続けてもらうための一つの手段といえます。最近は子供の野球離れが問題となっています。この一つの課題として指導者の質があり指導者ライセンス制度、研修機会の提供などが急務となっています。これはサッカーも同じでサッカー離れが起きています。今は気軽にユーチューブなどでいろいろな動画を見ることが出来るので、その情報で「あれ?」と気付く機会も当然増えています。元日本代表女子バレーボール選手達が声を上げ行動しているように、これはサッカーや野球だけでなく全てのスポーツの習い事に共通する課題といえると思います。
サッカーのプレイと野球のプレイの違い
この2つの競技にはプレイに大きな違いがあり、それによりトレーニング方法にも違いが生まれていきます。
プレイとは「判断と行動」
【サッカーのプレイ】は選手が主体的に行います。選手が状況を確認し自分で判断して行動に移します。一方【野球のプレイ】は組織で行います。監督が状況を判断し選手にサインを送り選手はサインを判断し行動に移します。この2つのスポーツには構造上の大きな違いがあります。
恐らく10年位前の話だと思いますが、日本企業の海外支社で社長をされていた方に、日本企業と海外企業とのマネジメントの違いについて伺ったことがあります。その企業では昨日入社したような若い社員からも当たり前のように新規事業の提案があるそうです。上長はその提案をジャッジして採用し企業を上げて実際にその事業に取り組むことがあるそうです。
日本企業であればまず新入社員にそんな機会は与えられないと思います。まずは一通り仕事を覚えて一人前になったら、というような順序を求められると思います。
これはサッカーと野球のプレイにとてもよく似ていると思います。選手が目的のために主体的にプレイするサッカーと組織が選手にプレイを求める野球という形です。日本では競技人口が多い野球もヨーロッパでは競技人口が少なくマイナースポーツです。逆に日本では野球人気が根強くあります。サッカーにも組織が選手にプレイを求める傾向がありますが、この辺りの文化の違いが世界との差になるのだと思います。
サッカーの構造は4局面「サッカーの原理原則」です。「攻撃→失う→守備→奪う」この4つの局面のサイクルが競技時間内でクルクルと変わっていきます。選手がいる場所によっては「攻撃」の局面でも「守備」のことを考えておくケースもあります。ピッチのその場にいない監督がその選手に対して、また状況が異なる全ての選手達にサインを送ることは不可能です。試合中に監督が出来ることはあらゆる面で調和を取ることだけかもしれません。
野球の構造はサッカーにおける「セットプレイ」に似ていると思います。コーナーキックやフリーキックなど一度プレイが止まりキックするところからプレイが再開されます。この場面ではサインを送るなどしてチーム全体で何かを狙うことが出来ると思います。ここで必要になるのは「キックの制度」「ヘディングなどシュートの質」「相手との駆け引き」「競り勝つフィジカル」などです。
サッカーと野球に求められるトレーニング
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サッカーではまず自分が判断をする必要があります。そして判断をするためには選手が自立している必要があります。
- 状況を確認する能力と知識
- 分析して答えを出す力
- プレイする技量
これを絶えず自分で行うのがサッカーのプレイです。状況を確認するためにはボールを使ったトレーニングではなく「鬼ごっこ」のほうがいいかもしれません。~鬼がこっちから来るからあっちに逃げよう!~などこれはサッカーのプレイに繋がるトレーニングになります。ここにボールを足で扱いゴールに入れるというサッカーのルールが加わります。選手はやることが明確になるので足りない技量を求めてトレーニングすることになります。これが努力や自主性や自立に繋がっていき結果としてサッカーが上手くなっていくことになります。JFA公認の研修や講習で学ぶサッカーの指導法はここに繋がっていくものです。
高校サッカーではサッカーのプレイが出来ていることを前提として以下のような野球の要素を落とし込んでいるように感じます。当然ジュニア期から高校サッカーと同じようなことを求めることはナンセンスです。まずはサッカーのプレイを身に付けなければサッカーを習い事に選ぶメリットがなくなってしまいます。
野球ではサインを判断する必要があります。その判断を実行するためには組織の規律や信頼関係が築かれている必要があります。
- 人の話を聞く能力
- 人間関係の構築
- プレイする技量
野球ではオフザピッチの振る舞い、礼儀などが重要になると思います。しっかり挨拶をする、上下関係、仲間との一体感など人間性を鍛えることも必要です。野球に限らず指導者がここをやり過ぎている場合に威圧的になったり暴言や暴力の問題に繋がっていきます。また野球はサインを確実に実行できる技量が必要になるため多くのドリルトレーニングも重要です。状況を想定したトレーニングがしやすく、上手くいったという達成感「成功体験」が作り出しやすい特徴もあります。
高校サッカーなどの取り組みや野球の指導者ライセンス制度の導入は、この2つの競技の良い点をそれぞれ求めあっている結果のように感じます。子供が「将来プロスポーツ選手として活躍する姿」というよりは、社会人として生きていくためにどちらの要素も必要になると思います。どちらのほうが良いのか?ではなくどちらにも良い点があります。この2つのスポーツの良いところが上手く混ざり合っているのが「フットサル」や「バスケットボール」だったりもします。現在どちらも指導者ライセンスの整備や普及に力を入れているので成長が楽しみなスポーツです。
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