目次
学ぶことをやめたら教えることをやめなければならない
「学ぶことをやめたら教えることをやめなければならない」ロジェ・ルメール氏の言葉です。サッカーの指導者はよく耳にする言葉だと思います。この言葉にある「学ぶこと」というのはどのようなことを指すのか?「学ぶこと」が出来なければ何を得ることが出来ないのか?この言葉の捕らえ方が変わるとき、あなたに大きな変化が生まれます。
「褒めて伸ばす」の使い方
よくコーチングで使うテクニックとして「褒めて伸ばす」というものがあります。褒めることで子供のよい部分にフォーカスしその子の気分を高めることができます。ここまでは「褒める」ことで得られるリアクションです。
例えば元々出来ていることを褒めた、とします。さて、気分以外に変化があるでしょうか?おそらくないと思います。これはその子が何かをして出来るようになった訳ではなく元々出来ていたからです。褒められて気分はよくなるでしょうがその子自身も何をどうしたら更によくなるかを知りません。
また、これは「伸ばす」ためのテクニックであって「何を」という部分のほうが重要になります。ただ「褒める」だけでは指導者としてのジャッジが伴いません。何が?なぜ?良いのか、を伝えてあげなければその子も良かった部分にフォーカスすることが出来なくなってしまいます。子供自身が「このプレイが良いプレイなのか!」と気が付くことが出来ればその子はそれを継続することが出来ると思います。ただし、指導者がこのジャッジを間違えると単なるクセになってしまい将来その子の足を引っ張ることにもなりかねません。このジャッジには「正しさ」が求められます。
【えっ?】たった35日で私の子供が英語を話した!←超話題!
さらに「伸ばす」要素を加えることが出来ればその子には大きな変化が生まれます。これは「出来なかったことが出来るようになる」ということです。サッカーのトレーニングではプランを立てます。オーガナイズというトレーニングの構成要素を整理し何を身に付けてもらいたいのかを、ウォームアップ、トレーニング1、トレーニング2、ゲームという順で体験していきます。初めは出来ないかもしれませんが徐々に出来るようになっていきます。「出来た!」という感覚をその子が得たタイミングで指導者がそれを褒めたらどうなるでしょうか?たぶん「もっとやりたい!」とサッカーを積極的に取り組んでくれるようになると思います。サッカーのトレーニングには「成功体験」「自主性」を得られる機会があり「主体性」「自立」に繋がるきっかけが存在しています。
「正しさ」を身に付ける方法
これらの成果を得るためには「正しさ」が必要です。この「正しさ」は学ぶことで得られます。ではこの「学ぶ」とはどのようなことを指すのでしょうか?本を読んだり、映像を見たり、人に聞いたり、と自分で努力することも大切ですが他の方法もあります。実はこれもコーチングの中に答えがあります。前の項にある「初めは出来ないかもしれませんが~」という部分これを解決する手段が「フリーズコーチング」です。これは選手がミスをしたタイミングでプレイを止めてコーチングする方法です。自分が出来ない事を指摘されるのは苦手という人が多いと思いますが、ここに人が成長するチャンスが隠れています。自発的な学びは自分が気付いている範囲に限定されますが、他人からの学びは自分の中に答えが存在していません。初めてのことで戸惑い拒絶しがちですが、これこそが「学び」だと思います。
JFA公認C級指導者ライセンスとはこの部分を求めらている資格のようです。
- ジャッジの正しさを持っていること
- トレーニングを計画できること
- 適切なコーチングができること
- フリーズコーチングができること
- 選手がポジティブにトレーニングできること
- 指導者自身が学ぶことができること
C級指導者はこれらを実現できるように学び続ける必要があります。おそらく指導実践で厳しいことを言われた経験がある指導者もいると思います。そのときのリアクションでその指導者が学ぶことが出来るのか、学ぶことを理解し提供できるのか、をジャッジすることができます。これは「フリーズコーチング」で試されているようなものです。そしてB級トライアルでそれをジャッジされ、出来ている、出来る見込みがある、という指導者がB級になっていくように思います。これはあくまで私が、指導教本、指導者養成講座、各種研修会、トライアル、などに参加した中で感じたことです。
学ぶを体験する機会 >> 月1回の書道教室!
私も子供達と一緒に書道を習っています。子供達と同じ課題にチャレンジし子供達が書いたものと見比べ嫉妬したり、と刺激を受けながら切磋琢磨しています。書道では、先生に見本を書いて頂きよく見る、わからないところは書いている様子を観察する、それでも分からなければ聞く、理解できたらとにかく書く、よし!出来た!というものを先生に見せる、赤筆で直される、を繰り返します。そうすると上手くなっていきます。
これはサッカーのとトレーニングと全く同じです。そしてこれは普段子供達が受けているトレーニングを私自身が疑似体験する機会でもあります。特にコーチングでは「よし!出来た!というものを先生に見せる、赤筆で直される」ここに注意が必要なことを体感することができます。どのように伝えれば「チャレンジに繋がるのか?」を考える機会にもなります。この「よし!出来た!というものを先生に見せる、赤筆で直される」という部分がフリーズコーチングであり「学ぶ」ことになります。もしB級がサッカーの入り口で子供達にサッカーを教えることが出来たら?ワクワクする未来が実現できるかもしれません。
「学ぶことをやめたら教えることをやめなければならない」ロジェ・ルメール
フリーズコーチングとは?
こちらの記事をチェック!JFA公認サッカー指導者の実力とは?
この記事へのコメントはありません。