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トレセン|みんなが選ばれたいセレクション?
サッカーでは高学年になるころにトレセンなんて言葉が聞こえてきます。トレセンはサッカー日本代表を頂点に持つピラミッドの下に位置する仕組みです。簡単に言うとトレセンに選考される選手は日本代表のタマゴということになります。
しかしこのトレセンというものはいくつかの問題点もあります。ひとつは選考基準が不透明であること。
なぜあの子が選ばれてうちの子は選ばれないのか?毎年こんな声にあふれているのが現状です。ここではU12のトレセンについて考えてみましょう!
トレセン|その目的とは?
トレセンでは、チーム強化ではなく、あくまでも「個」を高めることが目標です。世界で闘うためには、やはり「個」をもっともっと高めていかなくてはなりません。レベルの高い「個」が自分のチームで楽にプレーができてしまって、ぬるま湯のような環境の中で刺激なく悪い習慣をつけてしまうことを避けるために、レベルの高い「個」同士を集めて、良い環境、良い指導を与えること、レベルの高い者同士が互いに刺激となる状況をつくることがトレセンの目的です。日本サッカー協会のページより抜粋
トレセンについて詳しくはこちらの日本サッカー協会のページでご確認下さい。ナショナルトレーニングセンター制度
また、トレセンで得られた内容は指導者にもフィードバックされます。
トレセンは選手だけでなく指導者にも情報が伝達され育成のベースアップを図る仕組みでもあるわけです。しかしこれは仕組み上、日本サッカー協会のC級指導者ライセンス以上を有する指導者が直接的な対象者になります。
トレセン|選ばれる選手とは?
この目的からも分かる通りトレセンは、サッカーが上手い子が対象ということではなくぬるま湯のような環境にいる子が対象になっています。
トレセン選考選手は、実際に選考するインストラクターの主観によるところが大きいと思います。ぬるま湯のような環境にいる子、トレセン選考会に参加する選手の中でも余裕のあるプレイをする子から順番に選んでいくことになると思います。
選考会に参加する選手の中で、となるとおのずと県内強豪チームの選手たちが聡見えてしまう傾向が高いでう。
そしてどれくらい選ぶのか?それはトレセンの定員に達する人数までというところは間違いありません。
そのため定員までに入ることが出来ればあるレベルに達していなくても合格することがあります。
トレセン|どうすれば合格できるのか?
これは単純です。トレセンの目的を果たせる選手になれば合格できる可能性が高くなります。
それはどのような選手か?選考会で他を寄せ付けない圧倒的な個を見せ付けることです!
勘違いしてはいけないのは、自分勝手なプレイではありません。ボールを渡されたらとにかく自己アピールに走るような選手はあまり良い印象は与えないはずです。
具体的にはどのようなプレイかというと、例えば3ゾーンでゾーン1というと自分のゴール前を指します。
このゾーン1ではセーフティーなプレイが優先されるべきです。
よく見かけるのは、このゾーン1で前を向いてチャレンジする選手です。このゾーン1では、本来チャレンジよりもセーフティーのほうが優先されるべきです。
でも前を向いてチャレンジし成功できるのであれば、この選手は周りに比べまだ余裕がある、といえると思います。このような選手がぬるま湯のような環境にいる子ということになります。
もし、チャレンジをしてボールを奪われるようであれば、それはぬるま湯のような環境にいる子ではないということです。
そして悪い習慣をつけてしまうことを避けるためにそれが出来ない環境でプレイさせる必要が出てきます。これは3ゾーンを理解する機会になります。
しかし単にセーフティーに蹴りだす、クリアする、のではなく味方につなぐ、前向きにプレイする、などのほうがチャンスに繋がる可能性があります。
これは更に価値の高いプレイです。これを目指せることが重要です。
よく少年サッカーでは、この場面でチャレンジを促しています。それはトレセンを意識しているのか、それを間違って認識しているのかは分かりません。
しかし、このような指導は間違いなく悪い習慣をつけてしまうことに繋がります。
正しくは、ゾーン1ではセーフティーなプレイを優先することを知っていてそれをプレイすることも出来る。でも自分が相手より何らかの要素で優位にあり仮に奪われても簡単に奪い返すことが出来るから更に上のプレイを狙える選手、です。
トレセンで受かることだけを考えるのであれば、とくかくチャレンジさせてその習慣を身に付けさせてもいいと思いますが習慣は簡単に抜けません。
これではU12より上で闘うことが難しい選手になってしまいます。(指導者がトレセンの選考で不合格に出来る目を持っていればこんな問題はそもそもないかもしれません。)
トレセン|何をするところ?
トレセンでは指導教本にあるテーマをトレーニングすると思います。ここでいうトレセンは市町村ではなく都道府県のレベルです。
市町村だと比較的オリジナリティー溢れるトレーニングになっているかもしれません。
テーマは「ボールを奪う」「チャレンジ&カバー」「ゴールを奪う」「攻撃サポート」だと思います。
この4つのテーマを数回のトレーニングで落とし込んでいきます。トレセンインストラクターは1回のトレーニングでこの何れかのテーマにある要素を落とし込む必要があります。
トレセンの場合、選手たちは向上心とやる気に満ち溢れています。指導環境としてはこれ以上ないくらいにやりやすい環境です。
インストラクターが単なるステータスではなく、成果を出せなければ名ばかり指導者の烙印を押される、くらい周りが求めていいと思います。
未来ある選手達から選考したのですから、それくらいの責任があると思います。
トレセンではある程度の技術レベルを持った選手が揃いトレーニングの質を確保することができます。選手にとって、指導者にとっても最高の成長機会になるはずです。
トレセン|まとめ
とても重要なことはトレセンに受かりやすいからといって悪い習慣をつけてしまうことを避けなければならないということです。上でも書いたとおり、サッカーを学んでいる指導者であればゾーン1でチャレンジを促すことはありえません。
トレセンは指導者にも情報が降りてくる仕組みではありますが、サッカーの原理原則など正しく理解をしていないと解釈を間違える恐れがあります。
U12のトレセンがゴールではないのであればその手段は避けたほうがいいと思います。
トレセンで学ぶこと
トレセンで学ぶことは「ボールを奪う」「チャレンジ&カバー」「ゴールを奪う」「攻撃サポート」の4つのテーマです。これはB級トライアルのテーマでもありますがサッカーの基本が詰まったテーマになります。
B級スタンダード計画というものがありますが、B級指導者はトレセンのトレーニングを行うことが出来ます。トレセンに合格できなくてもB級がいる場であれば同じことを学ぶことができます。
U12のトレセンに引っかからないような選手でも大人になって時にはどうなっているか分かりません。この4テーマは非常に重要なトレーニングだと思います。
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